コーヒーという情熱

コーヒーの未来を考える

2025.06.04

インタビュー

キーコーヒーとコーヒーの生産国・消費国をつなぐ絆
社会福祉・自然環境保全に取り組む『クレルージュ基金』

キーコーヒーでは創業100周年を機に、社会福祉や自然環境保全などに取り組む『クレルージュ基金』を設立しました。設立の目的や活動内容について、事務局スタッフにお聞きしました。

コーヒーの総合企業としての責任を

クレルージュ基金 事務局

久保井 萌絵(キーコーヒー(株) 総務人事部)

――「クレルージュ基金」は、キーコーヒーの創業100周年を機に設立されたそうですね。
  はい。コーヒーの生産国や生産者の支援はクレルージュ基金設立前から行っていたのですが、創業100周年を機に「コーヒーの生産国・消費国の社会福祉や自然環境保全に取り組んでいこう」と、思いを新たに設立されたのが「クレルージュ基金」です。
 支援の対象を、従来の「コーヒーの生産国」から「コーヒーの生産国・消費国」と拡大したことで、日本も含むより広い範囲の支援活動を展開できるようになりました。
 具体的には、コーヒー生産国の子どもを支援するスポンサーシップや、FNCコロンビアコーヒー生産者連合会が推進している浄水フィルターの寄付活動への賛同のほか、国内外で自然災害が発生したときに赤十字を通じて義援金を送るなどさまざまな活動を展開しています。

「クレルージュ」はフランス語で「赤い鍵」を意味し、

「人の絆」や「思いやり・心配り」を大切にする“ハートウォーミングリレーション” を

コーヒーの力でサポートしていきたいという思いが込められています

――企業が社会福祉・自然環境保全に取り組む意義を教えてください。
 キーコーヒーのフラッグシップブランド『トアルコ トラジャ』は、「幻のコーヒー」と言われ一般の市場から姿を消していたインドネシアのトラジャコーヒーを、当社がインフラや農地を整備し地元の人々と一丸となって復活させた商品です。
 そんな経緯もあり、「サステナビリティ」という言葉が一般的になる前から「コーヒーの生産国・生産者との結びつきを大切にする」という意識は社内に自然と培われていました。
 コーヒーの生産国では、まだまだインフラの整備などが不十分な場所もありますし、自然災害への対応が困難な国もあります。私たちが未来に継承したい“喫茶文化”は、生産国と消費国両方の存在があってこそ。喫茶文化を共に築く仲間であるコーヒーの生産国そして消費国を支える活動は、コーヒーの総合企業である当社にとって重要な責任だと思います。

コーヒーを愛する皆様と共に
当基金の活動を盛り上げていきたい

――クレルージュ基金に、社員はどのように関わっているのですか?
 全国の職場や拠点、工場などにクレルージュ基金の募金用の缶を設置しており、そこに自主的に寄付をいただいています。
 当社にはコーヒー生産の現場を研修などで訪れたことのある社員も多くいるのですが、そういった人たちは積極的に寄付に取り組んでいる印象があります。自分の目で生産国の様子を見たり生産者と直にコミュニケーションを取ったからこそ「コーヒーの生産国の力になりたい」という意識が特に強いのかもしれません。

クレルージュ基金用の募金缶。製品用に使用していた缶を再利用している


 また、株主総会の会場や毎年10月1日の「コーヒーの日」に合わせて本社前で実施している「チャリティセール」などの売上もクレルージュ基金へ寄付しています。
 「コーヒーの日」のセールはどなたでもご参加いただけますので、ご興味のある方はぜひ参加いただければ幸いです。

本社(東京都港区)で開催されるチャリティセール。※実施日は年によって異なる場合があります


 当社では「珈琲とKISSAのサステナブルカンパニー」を掲げ、持続可能なコーヒー生産の実現を目指しさまざまな取り組みを行っています。その一環であるクレルージュ基金は、キーコーヒーとコーヒーの生産国・消費国をつなぐ絆のひとつです。
 社員を始め、チャリティセールに参加してくださる生活者の方など、コーヒーを愛する皆様と共に、当基金の活動を盛り上げていけたらと思います。